キャラクターは永遠ですよ!


皆様、こんにちは。
印刷物やデザインをこよなく愛する、版下太郎と申します。
この度の新型コロナウイルスに罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

本来「よしみ工産株式会社」(@戸畑)のブログ「N9A/ノースナインアーカイブス」は、
北九州を拠点に活躍している企業人×クリエーター×スタートアップなどを紹介する企画でしたが、
緊急事態宣言発令により、直接的なインタビューが困難になり試行錯誤の末、SNS/メール/ビデオ通話などのツールを活用して、当面の間リモートインタビューを行うことになりました。

第一回目は、北九州市出身で声優の多田野曜平さんです。クリント・イーストウッド、『スター・ウォーズ』のヨーダなどの吹き替えや、様々なアニメ作品やナレーションに多数出演されています。北九州市観光大使もされており「KitaQ愛」に溢れた「茶目っ気 」たっぷりのトークになりました。また頑張っている皆さんに、明るく元気なww..多田野さんらしい語り口で「エール」を送っていただきました。最後までお楽しみください。

インタビュー/Interview
声優:多田野曜平

-出身地は 
福岡県は北九州市、若松区の東小石っていう海沿いの町で生まれました。と言っても汚い海で、小さい頃からもう海水浴は出来なかった。その後どんどん埋め立てられて今では海岸は見えません、でもよくそこで遊びましたぁ~ヘドラ(注釈1)が出てきそうな埋め立て地(笑)。小学校も中学校も高校も歩いてすぐの所に通いましたね。

注釈1:映画『ゴジラ対ヘドラ』に登場する「公害怪獣」。


-声優になったキッカケは     
そりゃもう小さい頃から俳優になりたかった。両親の影響もあって海外ドラマ(注釈2)をよく見ていたし、洋画が好きだった。でもただそれだけ。高校卒業して上京してプロになるまで10年かかった。どうしていいかわからなかったし、どうにもならなかった。なすすべもなかった。諦め掛けていた時に今のテアトルエコー(注釈3)に受かったら、この劇団は有名な声優さんばかりだった。時は1990年、熊倉一雄(名探偵ポワロ)山田康雄(ルパン三世)納谷悟朗(銭形警部)槐柳二(れれれのオジサン)村越伊知郎(サザエさんノリスケ)八代駿(くまのプーさん)勝生真沙子(セーラーネプチューン、ナルト綱手)太田淑子(ひみつのアッコちゃん)さん、などが在籍していました。既に退団されていた先輩方…魔法使いサリーやアルプスの少女ハイジ、毛利小五郎、麦わらのルフィ等々含めると声優のオバケ?の様な劇団ですね(笑)

注釈2:多田野氏が子供の頃見ていた海外ドラマは、「宇宙家族ロビンソン」「コンバット」「原潜シービュー号」など
注釈3:多くの劇団員が声優として所属する歴史のある劇団・芸能事務所。


-この仕事の醍醐味は  
そりゃ~デビューしたからって直ぐに食える様になる訳じゃないってとこでしょ(笑) そこからまた10年掛かりました10年。いつか必ず仕事が入ると、アルバイトしながら劇団の舞台に立ち続けました。結婚し娘が生まれてもまだガソリンスタンドでバイトしていた時は辛かったけど、諦めようとは思いませんでした。それは劇団にいて舞台に立っていたから、収入はなくとも「俳優」としていられたし、今思えばそれが良い修行になったと思います。何もかも無駄なことはひとつも無かった。


-声優の仕事をやって良かったーという話    
仕事を貰える様になってからは、もうとんとん拍子♫ですよぉ~いや飛ぶ鳥の勢い!いやいや、飛ぶ鳥を落とす勢いか?(笑) その理由はまず、それまでのVHS(テープ)から、DVD(光ディスク)になるってんで吹替えの仕事が増えたこと。VHSは字幕か吹替えか別々だったけど、DVDにはみな吹替えが入った。第二に「韓流ブーム」が起きて、韓流に合いそうなワタシみたいな役者に仕事がまわってきた。それで急にレギュラー増えたもんね!しかも韓流ドラマは話数が多かった 第三にディズニーチャンネルやニコロデオン、カートゥーンネットワークなどが放送を開始した!それにより、小動物やエイリアン、チビやハゲといったワタシの得意とする役がドーンと増えた(笑) これで一気に調子付いたワタシはディズニーの劇場版長編アニメーションにもレギュラーのように出演することになったのであ~る!!


-コロナウイルスが猛威を振るう現在、声優としての思い
仕事が増えていくにつれて、何よりも嬉しいのは「持ち役」が増えること。なかでも劇団の先輩であり、子供の頃からの憧れの人だった山田康雄さんの代役でクリント・イーストウッドの吹き替えをするようになったのは驚きだった。恐れ多くて断ることすら出来なかった。役を汚さぬ様に一生懸命にやった あとは『スターウォーズ』のヨーダ、世界中の人が知ってるキャラクターを自分が演じることになるなんて…夢の様で、と同時に恐ろしかった。他にも海外で話題のアニメ「フィニアスとファーブ」のドゥーフェンシュマーツ博士や「リックアンドモーティ」のリック・サンチェスなどのワタシがオリジナルのキャラクターもあります。世界と繋がるアニメや映画のキャラクターを通じて世界中のファンにに元気を出して欲しいですね!アニメにしても実写にしてもキャラクターは永遠ですよ!例え役者がその仕事を終えても、キャラクターは永遠に生きるでしょう~コロナにも負けず活躍し続けるでしょうよ。


-これからの展望     
昨年これまた不思議な事が起こったんですね、クリント・イーストウッド主演『夕陽のガンマン』で山田康雄さんの代役を務めてから10年、『荒野の用心棒」『ダーティハリー」シリーズ『白い肌の異常な夜」『ガントレット』などの作品で追加収録や全編録り直しさせて頂きましたが、新作はなかったんです。山田康雄さんが亡くなってからは色んな先輩方がイーストウッドの新作を吹き替えられていました。ところが今回、10年ぶりの監督主演作品『運び屋』が公開されることとなり、89歳のイーストウッドをワタシが吹き替える事になったんです!10年ぶりの新作を10年やって来たワタシが…もう最後かもしれない作品を…昨年はもうひとつ「イット」という映画でペニー・ワイズの吹替えをやりまして、これまた大ヒット。これらのお陰でそれまでやったことのない色んな仕事が入って来るようになり、ついに、ついに北九州市観光大使に委嘱されたのです!!お母さん!観光大使ですよぉ~~~!!もうこれ以上望むことはありません(笑)。


-最後に北九州の皆様にひと言…
※ここからは、多田野さんがキャラクターに憑依されます(笑)。
ジェダイ評議会のマスターヨーダ様よりひと言お願い致します。「ウェ、んー、恐怖を感じる。恐怖は怒り、怒りは暗黒面へと繋がっておる。気を付けねばならんぞっ!今こそ自らを鍛えるのじゃ、心の目で見よ。さすればおのずと道は開かれよう。フォースと共にあらんことを!!」       

続きましてサンフランシスコ市警察のハリー・キャラハン氏よりひと言お願い致します。「おーっと、お前さんの考えは分かってる。俺が6発撃ったかまだ5発か・・・実を言うとこっちもつい夢中になっちまって数えるのを忘れちまったんだ。だがこいつゃ~44マグナムと言って、世界一強力な拳銃なんだ!新型コロナウイルスなんて一発で吹っ飛ぶぜっ!!楽にあの世へ行けるんだ・・・さぁ~どうする?」

※ここから本物

手洗い&マスクを心がけて、コロナに負けんで頑張るんよ!

プロフィール/Profile

多田野曜平:福岡県北九州市出身、テアトルエコー所属。北九州市観光大使、現在フジテレビ系水曜深夜アニメ「BNA」フィリップ役、テレビ東京系6局ネット木曜日夕方「GOGOアトム」御茶ノ水博士役、同じくテレビ東京系6局ネット日曜日朝「ラプンツェル ザ シリーズ」ショーティー、アッティラ役、放送中。映画『運び屋』クリント・イーストウッド、『スター・ウォーズ』シリーズ(7.8.9)のヨーダなどの吹き替え。大作・話題作に多数出演。