ワンストップサービスでCS、DXでESを高め
そして次の時代へ

こんにちは。版下太郎です。
4月になり、令和も4年度を迎えました。
街には桜の花が咲きこぼれ、新年度のスタートをお祝いしているかのようです。
毎年のことですが、満開の桜の花を見るだけでもこの国に生まれたことの幸せを感じます。

さて、今回更新のブログですが、北九州市八幡西区でLPガス関連事業を手広く展開されている八幡液化ガス株式会社の代表取締役・肱岡照明(ひじおかてるあき)さんにお話を伺いました。

インタビュー/Interview
八幡液化ガス(株)代表取締役:肱岡照明

―こんにちは。今日はお忙しいところ、ありがとうございます。まず初めに肱岡さんの簡単な自己紹介をお願いします。
八幡液化ガス株式会社で、代表取締役社長をしている肱岡照明です。妻と8歳の長女、6歳の長男の4人家族です。
実は「肱岡」は母方の姓で、旧姓は「椎葉」なんですよ。八幡液化ガスは母方の祖父が興した会社なのですが、男の子がいなかったこともあり、高校2年生の17歳の時に祖父と養子縁組をして、「肱岡」になったんです。大学までは旧姓で通っていたので、現在でも高校や大学の友人には、旧姓の「椎葉」で対応しています。非常に面倒くさいのですが、仕方がないとあきらめています。

―使い分けは大変かもしれませんが、友人から呼んでもらえる旧姓は長い付き合いの証ですね。次に肱岡さんの子供時代のことを教えてもらえますか。
小学生の時は、色々な習い事をやらされましたね。水泳や剣道、野球、書道、そろばん、英会話を習いました。そして、中学では剣道と塾通い、高校と大学では漕艇(ボート)をやりました。
小さい頃から色々とやりましたが、どれも大成しませんでした(笑)その中で自信を持って「やった」と言えるのがボートです。県代表として国体に出場しました。
とにかく色んなことに挑戦するのは大好きなんですが、すぐ飽きてしまう性格なんです。飽きがくるのが早いんですよね。でも、中途半端も嫌いなので、やり始めて飽きがこなかったことはトコトンやります。0か100ですね。あと婚姻関係だけは、飽きたら怒られるので、頑張って継続しています(笑)

―知らず知らずのうちに選択と集中を実践していたことにしておきましょう。大学の話が出ましたが、熊本大学の工学部をご卒業とお聞きしています。大学ではどのようなことを学ばれたのですか。
大学の研究室では半導体のウエハーの研磨に関する研究をしていました。コツコツと同じ実験を何千回、何万回と繰り返し行うのが性に合っていて、楽しかったです。ただ、今の仕事と関連があるかというと一切なく、直接的にはほとんど役に立っていません。役に立っているのは、物事のプロセスだったり、知識ぐらいでしょうか。

―大学をご卒業後はすぐに八幡液化ガスに入られたのですか。
一旦、資格取得を兼ねた修業のために九州ガス技研という会社に就職し、その後八幡液化ガスに入りました。ただ、実はそのあと一度転職をしているんです。それもガスとはまったく関係のない製薬メーカーです。親の影響のないところで、どこまで出来るのかを試してみたくて、敢えて分野外の医療関係に就職しました。忙しい毎日でしたが、営業コンペ製剤別部門で2回日本一になるなど、それなりの成果を残すことができたと思います。また、同じ地区のライバルメーカーの営業の方とも仲良くなり、ゴルフや野球、テニス、ダイビング、マラソン、ラフティングなどをして、休日を一緒に楽しんだりしましたよ。

―それは貴重な経験をしていますね。話は変わりますが、肱岡さんはとても規則正しい生活をされているとお聞きしてます。
そうですね。まず、日々の日課として毎朝、仏壇のお供えの交換とお線香をあげることは欠かしません。それ以外でも毎日の行動は基本的にルーティン化されています。起きる時間、食事の時間、寝る時間等も平日、休日を問わずに大体決まっています。これは自分だけではなく、子供たちも同じです。今の子供にはなかなかしんどいのかなとは思っています。ただ振り返ってみると、私も幼少期より親から規則正しい生活を身体に叩き込まれてきましたのですが、別に嫌な気はしていませんでしたし、それどころか親には大変感謝しています。子供たちも、今はしんどくてもいつか同じような気持ちになってくれたらうれしいですね。

―規則正しい生活は大切だということが分かっていても、なかなかできることではありません。素晴らしいと思います。その他、ルーティン化していない日常生活もおありと思いますが。
普段、他人と話をするのが大好きなのですが、一方で独りでいるのも好きなんですよ。自分でも矛盾していると思いますが(笑)
独りでということでいうと、大学時代に履修した構造学の知識と、営業時代に現場大工から教わった家を建てるノウハウを活かして、自宅の設計・工事を独力でしました。安くあげることができましたよ。
あと昨年までは、YouTubeの高圧洗浄機の洗浄動画を見て楽しんでいました。YouTubeは独りでいるときの楽しみの一つですね。

―それは上手なストレス解消法かもしれませんね。次にお仕事についてお伺いしたいと思います。八幡液化ガス株式会社の業務内容や他社にはない強みを教えていただけますか。
弊社はプロパンガスの製造・販売を手掛けている会社です。北九州エリアだけでも100社強の販売店がありますが、弊社のようにガスの充填所を有している会社は数社しかありません。また、タクシーへの燃料供給(ブタンガス)のスタンドも併設しています。充填所を持っているとガス屋さんに対しての卸業もできますので、弊社にとってかなりの強みになっています。

―なるほど。一口にガス会社と言っても色々あるんですね。
それではガスについて少し説明しましょうか。
燃料としてガスが普及する前は、豆炭や薪等で煮炊きや風呂をまかなっていました。その後、原油を分離・精製する際に出てくる不要なものを燃料として販売できるようになって、ガスが普及していきました。現在では、原油由来のガスもまだまだありますが、多くはガス田から採取されたものです。最近では、アメリカのシェールガスなどが有名ですね。
都市ガスは天然ガス(CNG)で、プロパンガスやブタンガスとは根本的に異なります。単位当たりの熱量(カロリー)も違うので、単純には単価比較ができません。もし電力、都市ガスと比較するのであれば、J(ジュール)かW(ワット)で比較しなければなりませんので、各会社に問い合わせてみてください。

―勉強になります。その他御社の強みはありますか。
弊社はワンストップサービスを信条としています。検針・配送・集金・販売・メンテナンスのすべてを外部委託せずに、弊社社員が担当を決めて訪問するようにしています。また、敢えて分業をしない方針で、基本的には担当者がすべての業務をこなすように教育を施しています。顧客が安心して弊社に任せていただける体制を構築することが信頼につながると考えて、日々技術に磨きをかけています。
体制の話で付け加えると、業界全体で取り組む「自主保安」というものがあるのですが、弊社ではこれも外部に委託していません。社員がシフトを組んで、 24時間365日待機業務を行っており、電話がかかれば即時対応することができます。
その他、顧客からガス関連以外の仕事を依頼されてもいいように、私は営業時代に様々な講習を受けさせてもらったり、資格を取りに行かせてもらいました。おかげさまで一般家庭での大概のトラブルを解決できるようになったのですが、これからはこの技能をいかに今の、そしてこれからの社員に伝えていくかが課題だと思っています。

―そうなるとガスはあくまで入り口の何でも屋さんですね。ここで話題をお仕事から地元・北九州に変えたいのですが、肱岡さんの目には、今の北九州はどのように映っていますか。
北九州市について・・・。なんでしょうかね。今のままでも好きな街ですが、強いて言えば、商店街が復活してほしいですね。私が子供の頃は、黒崎に多くの商店がありました。商店街以外でも、「そごう」「井筒屋」「長崎屋」などのデパートがあり、親に連れていってもらうのが小さい頃の楽しみでした。
あとは路面電車です!路面電車に乗って到津遊園地(現到津の森公園)まで行ったのもいい思い出です。路面電車も復活してほしいですね。
昔の思い出ばかりになってしまいましたが、「他の都市とは違うんだー!」というものがあれば、中年の我々でももう一回ぐらいワクワクできそうな気がしますし、是非そうなってほしいと思います。
今の北九州の一番の魅力というと、やはり食べ物じゃないでしょうか。魚介などについて言うと、太平洋産、日本海産が同一都市で獲れるのは、実は国内では北九州市だけなんですよ。野菜も地産ものが多く、とても新鮮ですしね。
正直に言って、北九州は最近少し元気がありません。ただ、自然も多いですし、産業も揃っています。多くの分野で大きなポテンシャルを持っていると思います。「北九州はホントは凄いんだぞ!」と声を大にして言いたいですね。

―そうですね。確かに少し元気はないところもありますが、一つの街でほぼすべての必要なものが揃っているというポテンシャルを活かして、またワクワクできる街になるといいですね。最後に今後の展望についてお聞かせいただけますか。
ガス業界は、成熟期を越え、現在衰退期に入ってきています。また、時代の変化はとても速く、他業種の参入やM&Aなども頻繁に行われるようになりました。このことは決して悪いこととは思いませんが、今はまだ時代の変化への適応が追いついていない感があります。この変化に遅れずに対応するためには、地域情報や業界情報を多く集め、経営に活かしていく必要があると思います。同業者はもちろん、他業種との意見交換や関係構築は今まで以上に必要になってくるでしょう。
また、それとは別にデジタル化への投資は必要だと思います。デジタル化というと多くの企業は、効率や経費削減のために導入しようとしていますが、弊社では「福利厚生」を目的に行っていきたいと思っています。つまり、社員がもっと仕事に集中でき、誰もが確実な成果を出せるような環境を整えるためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資です。昨年から社内LANを採用したり、無料Wi-Fiを開放したりしています。事務所もIT企業のように、配置換え(フリーアドレス)をする予定です。現在、すでに第一段階の変更は終えました。現在は第二段階として、棚、机の形状、配線等のレイアウトを計画中です。
まずは弊社で色々と試みて、上手くいけば必要としている同業者へノウハウを伝え、そして業界全体が協働できる関係を築ける仕組みを作っていきたいと思っています。
CS(顧客満足度)、ES(従業員満足度)が十分に満たせれば、経営者がいちいち指示を出さなくても会社は勝手に動き続けると思っています。そして、会社に私が必要でなくなったら、さっさとFIREして、コッソリ何か別のことをやっていきたいですね。

プロフィール/Profile

肱岡照明(ひじおか てるあき)
北九州市八幡西区出身(1977年生まれ)
県立東筑高校、熊本大学工学部卒業
2001年九州ガス技研入社
2002年八幡液化ガス(株)入社
2007年クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン入社
2010年八幡液化ガス(株)再入社
2013年北九州青年会議所に入会、2018年には折尾二三会に入会
妻と長女、長男の4人家族

八幡液化ガス株式会社(ガス直売)
八幡瓦斯株式会社(ガス卸・オートスタンド)
〒807-0813   福岡県北九州市八幡西区夕原町12-7
TEL: 093-691-3931
FAX: 093-602-8233
URL: http://yahatagas.co.jp/
E-mail: yahata@yahatagas.co.jp